2013年3月アーカイブ

企画書・提案書は、どこを描いているか?……「【超】一枚企画書の書き方」(ダイヤモンド社2013.01刊行)より
……企業の全体を見て、さらに今、あなたはなにをしているか? なにを企画・また提案するか?

 シャープの経営危機、ソニーやパナソニックの長期低落傾向など、日本企業の厳しい状況が続きます。
 大企業も中小企業も、厳しい局面を突破しようと、知恵を絞り、大リストラの事業企画書や新事業への企画書や提案書が飛び交っています。
 商品が売れない……すると、広告・販促関連の企画書や提案書が飛び交います。
 企業が発注するか持込みかは別として、販促や広告関連ツールの提案書が、圧倒的に多いでしょう。
 ツールでV字回復できるほど時代は簡単ではなく、その証拠に広告、印刷業界の傾向は、このところ急速に右肩下がりで、なお高度成長時代のマスマーケティング発想で企画提案されるものの、費用対効果が悪く、その結果、発注が減り、さらに値下げ競争に走る悪循環の現実があります。
 それは企業の「価値」「仕組み」「顧客との関係」づくりのどれか、あるいは複数がうまくいっていないことを意味し、構造的な「問題→解決」が必要なのです。
 ツールでV字回復できない場合、プロセスを含めた「顧客との関係」の問題解決の必要があります。
 それでも解決できない場合、「価値」づくりか「仕組み」づくりの徹底が必要になり、これも非常に重要な企画ですが、企業内部の問題で、外部からは分かりにくい。さらに内部スタッフも内部の問題は処理しづらく、難しい事態に直面します。
 しかし厳しい時代と言っても越えなければ未来がないわけで、各段階の問題解決をする必要があり、企業規模が大きければ大きいほど緻密な地図、図面が必要。つまり企画書が必要になります2013.0314ichimaikikakusho.03.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うまくいっていない企業の状況は

 企業の「価値」づくりがうまくいかない……需要と供給がミスマッチしている

 企業の「仕組み」づくりがうまくいかない……これはスピードの速い市場に対応できない

 企業の「顧客との関係」づくりがうまくいかない……ネット時代と過信しすぎたり、ネットに乗り遅れたりよく見かけます。

 これらの構造的な「問題→解決」が必要です。

 「価値・しくみ・関係づくり」のあたまをとって「かしか」「可視化」としていますが、複雑であれば、一瞬でわかる仕組みが必要……これを私は、30年来、企画書という仕組み(ごぎれいに見せる企画書ではありません)に創り上げて来たのです。

 なかなか本質を理解している人は稀ですが、経営者は感覚的にわかってますね。

だから、一枚の企画書を好むのです。

おりにふれて、またお話しますが、なにぶん多忙なもので、たまにしか……ごめんなさいね。

最近の「【超】一枚企画書の書き方」(ダイヤモンド社2013.01刊行)は、比較的、わかりやすくまとめています。



 

立体駐車場の増販増客

企画実施後1年4ヶ月経過し、夜間月極契約台数280%

月極全体でも122%アップ

(2007年 企画塾出版部 増販増客実例集より抜粋)

こちらの事例は、北海道の井上理公認会計士事務所にお勤め(当時)の塙裕之さんが支援された事例です。「雄和パーキング」のスタッフのみなさまがお取り組みになりました。




前回、立体駐車場の増販増客成功事例をご紹介させて頂きました。例年8~12台の間で推移していた「B棟限定夜間月極」の契約台数が22台(240%)に達するという素晴らしい成果を達成されたのですが、今回はこの事例のその後についてお話をさせて頂きたいと思います。

 

まず成果についてですが、企画実施後1年4ヶ月で契約台数は28台(280%)に達しており、これにその他の月極契約を加えた全体の月極契約台数も121%と、長年続いた売上減少傾向からの脱却に成功しています。

 

 

企画実践の背景について今一度おさらいをさせていただきます。

 

この企画を立案・実践されたのは、北海道帯広市でビル賃貸・遊技場・駐車場事業を営む「株式会社ピステ」の望月真理部長です。当時「ユーワパーキング」は大変厳しい経営状況に置かれており、売上下落傾向が長年続く中、平成8年頃から新商品開発をスタートさせるなど、改善の為の様々な努力をされるものの明確な成果を得るまでには至らず、さらには道路交通法改正による飲酒運転罰則強化や代行運転業の公認事業化、不況や帯広市中心部の空洞化による来街者数及び事業所数の減少、増加する空地(市内中心部の約40%)の駐車場転用、公共施設の駐車場の土日祝祭日無料開放といった要因が厳しい経営状況に益々拍車をかけるという状況にあり、このまま行けば業態転換か廃業という、まさに崖っぷちに立っての企画実践でした。

 

企画の具体像についてですが、CTPTマーケティングによる企画立案で一番最初に着手し、また成功の鍵を握る重要な部分がコンセプト・ターゲット(CT)設定です。 「ユーワパーキング」はA棟・B棟の2棟があり、通常の時間貸しの他、棟別・昼夜別・時間数別でいくつかの月極契約タイプがありますが、この事例におけるコンセプトは、月極契約の中でも特に契約台数の落ち込みが激しい「B棟限定夜間月極」に絞り込んで設定しました。

 

ターゲットはコンセプトとの整合性を図るため、夜間に継続的に駐車場を利用する必要がある人は誰か?という観点から、駐車場周辺地域(徒歩圏内)で夜間に営業する飲食業関係事業所に絞り込みました。

 

これはターゲットを絞り込む際に用いる「マイクロマーケティング」の考え方の内、地域を軸とした差別化戦略である「近隣マーケティング」の考え方に基づいています。コンセプト・ターゲットを設定する際、極力絞り込んで徹底的に整合性を図ることが、素早く、そして確実に目標を達成し、あるいは成果を得るために大変重要な要因です。この事例においても、コンセプトとターゲットの絞込みが成功につながったことは言うまでもなく、成功要因の大部分がCT設定にあると言っても過言ではありません。

 

それを後押しするものが、プロセス・ツール(PT)設計です。

まずプロセスですが、大きくはわずか4つのプロセスで構成されており、具体的にはチラシ配布→契約申込受付→契約→サンキューレター送付という極めてシンプルなものです。

 

ツール類ですが、契約に際して必要となる契約書や注意事項を記載した案内書などは以前から使用していたものをそのまま用いましたので、新たに制作したものは配布用のA4版チラシ、駐車場内に掲示するポスターなどで、これらは全て望月部長がパソコンで自作されました。かかったコストは紙代やプリンターのインク代などわずか数千円程度です。

 

但し、ツールの性能という点に関してはよく吟味した上で制作にあたっています。この企画を実践したことによる売上高増加額は、年換算で約230万円ですので、とてつもなく高い費用対効果が得られたわけです。

 

 

売上増を図る上で、CTPTの設計と運用を着実に行うことはもちろんですが、この事例においては、これといって手の込んだ緻密なプロセスを設計した訳ではありませんし、ツール類についても特筆すべきことはありません。成功要因の大部分は「CTの絞り込み」と「CT整合」にあることが、皆様にもご理解頂けたのではないかと思います。

 

さて、この企画の実施期間は平成17年7月中旬から8月末までの約1ヶ月半で、それ以降はなにも実施していません。にもかかわらず効果がその後も持続し、「B棟限定夜間月極」の契約台数は順調に伸び続けている点は非常に興味深いものがあります。他の月極タイプの契約台数は横ばいもしくは減少していますので、CTPTマーケティングの実践による売上増効果が明確に見て取れます。

 

実は平成18年10月には、コンセプトを「B棟限定昼間月極」に、ターゲットを近隣事業所に設定して、試験的にではありますが企画を実施したところ、一挙に8台の契約を獲得するという成果も出されています。業態転換や廃業までも考えていらした頃がまるで嘘のようです。最近の動向として、料金をさらに下げて低価格戦略に乗り出してくる競合が増えつつありますので、まだまだ油断は禁物ですし、自社内の様々な課題をクリアしていく必要があります。

 

しかし私は、「ユーワパーキング」の皆様が望月部長を中心に全社一体となってCTPTマーケティングを実践し続ける限り、苦しむ競合を尻目にさらに業績を伸ばして行かれるであろう事を確信しておりますし、地域ナンバーワンを目指して、私も一緒に頑張らせて頂こうと思っております。

今回も企画塾で毎年発刊している「増販増客実例集」から、事例をご紹介いたします。

立体駐車場の増販増客 夜間月極契約台数前年同月比240%!

(2006年 企画塾出版部 増販増客実例集より抜粋)


こちらの事
例は、北海道の井上理公認会計士事務所にお勤め(当時)の塙裕之さんが支援された事例です。「雄和パーキング」のスタッフのみなさまがお取り組みになりました。

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「雄和パーキング」は北海道帯広市の中心歓楽街に位置し、表通りに面したA棟と裏通りに面したB棟の二棟からなり、各々62台ずつ、合計124台の収容が可能な「垂直循環式」立体駐車場です。

 

 立体駐車場設備にはいくつかの方式がありますが、「垂直循環式」とは、建屋の中を多数の車台が長円形に回転しながら循環移動するもので「メリーゴーランド式」ともいわれ、読者の皆様の中にも同方式の立体駐車場を利用された事がある方も多いのではないかと思います。


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続いて経営の概況ですが、駐車場業界の景気動向は過去10年間3~8%で下落しているというデータがあります。「雄和パーキング」の場合は昨対85%というかなり厳しい状況でした。売上減少の主な要因としては、道路交通法改正による飲酒運転罰則強化、代行運転業の公認事業化などの社会的要因、帯広市中心部の空洞化による来街者や事業所の減少、増加する空地(市内中心部の約40%)の駐車場転用などの地域的要因、さらには公共施設の駐車場の土日祝祭日無料開放、低価格設定駐車場の増加などが挙げられます。このような厳しい経営環境が長年続いていましたが、決してただ手をこまねいていた訳ではありません。

 

平成8年頃から新商品開発をスタートさせるなど、改善の為の努力はずっと続けて来られたのですが、それも近年は明確な成果がなかなか出ないという状況にありました。 

 

さて、CTPTマーケティングで最初に行うのはCT設定です。駐車場事業には小売業やサービス業などとは異なる特徴があります。それは駐車場を訪れる方々=T(ターゲット)の主目的(来場動機)が“駐車場に車を止めること”そのものではないという点です。

 

皆さんが駐車場を訪れるのは買い物や食事、施設を利用する時などではないでしょうか。駐車場利用はあくまでも副次的な目的であり、“駐車場”や“駐車するという行為そのもの”自体はターゲットに対して何ら訴求力を持たないのではと考えたのです。ですからCT設定は遅々として進みませんでした。

 

しかし、CTを設定しないことには先へ進めません。課題提案書による現状分析や、社内での数回にわたるミーティングを経て、様々な商品の中から特に落ち込みの激しかった「B棟夜間月極契約」をコンセプトに、ターゲットへのアピールポイントを「安心・安全な駐車場」に決定しました。

 

有人立体駐車場の強みを生かし、増加する車上荒らしや車体へのキズ付けなどの犯罪行為、また風雨や積雪などの悪天候からお客様の愛車を守り「安心・安全」を提供するというものです。

 

次はターゲットの設定です。これは夜間に駐車場を利用する必要があるのはどのような人か?という観点から、周辺(徒歩圏内)で夜間に営業する事業所(特に飲食関係)の経営者及び従業員に絞り込みました。マイクロマーケティングの一種で、地域差別化戦略である「近隣マーケティング」の考え方です。そして、極力絞り込んだCT設定が見事に合致することとなるのです。

 

あとはコンセプトをターゲットに認知させ、関心・意欲を醸成して顧客心理を契約という行動段階に移行させるためのP(プロセス)T(ツール)設計が残っていますが、あまり手の込んだことは行わず「安心・安全を提供する」という点をアピールするチラシをパソコンで作成し、商店街組合幹部の方を通してターゲットに配布した後、問い合わせ対応などを経て契約獲得に至るというシンプルなものにしました。

 

なお、低コストで実践可能という点もCTPTマーケティングの特徴ですが、今回の企画で要したコストもチラシの用紙代とプリンターのインク代など僅か3,000円のみとかなりローコストです。

 

ここで一つ付け加えますが、実はこの企画を立案するにあたり従来13,980円だったB棟夜間月極料金を10,500円にしました。ただし、決して低価格戦略ではありません。あくまでも競合環境や顧客動向を踏まえた上で、適正と思われる価格に設定し直したのです。この価格戦略も成功要因の一つですが、最大の要因は何といってもCT設定においてかなり思い切った絞り込みを行い整合を図った点ではないかと思います。

 

「ピステ」の全社員が一丸となって取り組まれたCTPTによる売上増企画ですが、価格を引き下げたにも関わらず、売上高は年間累計ベースで約180%の130万円増となり、長年減少傾向が続いていた「雄和パーキング」全体の売上は遂に下げ止まり、CT整合の重要性と威力を改めて感じた事例となりました。

 

当初は駐車場の一部休止や業態転換、廃業も考えているとのことでしたが、今では、より大きな成果達成に向け意欲的に取り組まれております。「ピステ」の継続的な増販増客実現へ向けて、今後も微力ながらお手伝いをさせていただければと思います。 

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