2011年12月アーカイブ

■情報社会の位置づけ……各社会は前期と後期に別れ、大変革が起きる
いま、歴史的転換期のまっただ中、情報社会後期への突入2011.1201.memorial100.jpg

 

前期は開発型、
後期は量産型と大衆化


という産業特性を持つ


いま情報社会後期に突入している

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■情報社会の歴史的ポジション…時代は情報社会『後期』に入った
 長い低迷にあえぐ日本、金融の混乱や雇用不安など未来が不透明な時代だが、現在はどんな時代か……歴史のなかで考えてみよう。
 日本で「情報化社会」が叫ばれ始めたのは、高度成長時代が続いていた1960年代の後半だ。戦後の混乱も収まり、未来が展望されるなか「高度技術社会」「高度通信社会」などが標榜されたが、実態が見えたわけではなかった。
 だが90年代に入り「マルチメディア社会」「インターネット社会」は、パソコンを誰でも使い、世界に繋がる時代が現実化し、その実像が見え始めてきた。
 社会学者達は先史時代からの時代観をしばしば説く。
 『農業社会、工業社会、情報社会』などがそれだ。根幹を流れるのは文明史観や政治史観などが多い。しかし、より重要なものは産業史観ではないのか……。
 私はその視点から、それぞれの社会を前期と後期に分けて考えたい。各社会はその前期と後期では産業史的にはあまりに構造が異なって映るからだ。

■前期は『技術開発革命』、後期は『経営革命』が特色
 ネットやパソコンは、たかが道具だ。だが、その道具の進歩は社会を大きく変貌させる。工業社会の前例を見ればいい。工業社会は18世紀の英国で始まり、19世紀末から20世紀にかけて米国で本格化して『後期』に突入した。
 工業社会の『前期』は職人と発明家の時代で、彼らの腕で機械を、製品を創る『開発時代』だった。
 機器の需要増は、生産の増大、生産方法は本格化の道をたどる。
典型的にはヘンリー・フォードが先駆けた自動車生産のシステム化と部品の標準化が大量生産大量消費社会へ、つまり工業社会『後期』へと踏み出す。
 こうして生産された膨大な商品、工業製品は世界に拡大し、その生産物を軸に国家を超える巨大な多国籍企業も続々と出現していった。

■後期を解く3つの『鍵』
 フォード以降の米国のように爆発的に富が拡大する後期の特性は興味深い。  農耕革命(トフラーのいう第1の波)で、人類は農耕技術を手にする。
 最大の富『食』を生産可能にした人類は、生産性向上に邁進。金属器など技術革新も起こり、灌漑農業などは組織力を要し、集落は国家へと変貌する。
 国家とは、農業社会における後期、第2段階で起こった部族をはるかに超越した、現在の多国籍企業のような『富』の創出機構だったのである。

■『生産・輸送・管理』は、『生産・販売・経営』に通じる
 農業革命や産業革命などの前期革命は技術革新が中心だが『後期革命』は社会革新に繋がる。前期はハード中心だが、後期では『富』の生産性向上が量産化、大衆化へ向かい、経営システムが変貌し、社会的にも大きな影響をもたらす。職人企業が、自社製品の優秀さに気づき、経営や営業に目覚めるのと、そう変わらない。
 組織の行動特性も変わる。前期は、小さな組織を中心としたシステム開発であり、後期は、組織が巨大化し、激しいシェア争いと自然淘汰が起こる。

■ 情報社会の後期で、富を生む人たちとは誰か
 工業社会の後期に量産システムが支配力を持っても、生産ラインが稼動しなければ大メーカーも成立しない。情報社会もそのテーマが変わるだけだ。
 農業社会が『食』を、工業社会が『工業製品』を主題としたように情報社会では『頭脳商品』『感性商品』『企画商品』『表現商品』などがそのテーマとなる。
 前期には、職人の産物としてそれは存在していた。ちょうど工業社会でも職人がしたように。
 情報社会前期は、広告、調査、企画、デザインなど、工業社会の知的サービスや付加価値商品を支える知識人、企画者、デザイナー、カメラマン、芸能人などが創造活動を行った。営業や販促業務にも優れた創造活動がある。
 後期では、サーバー内のコンテンツを充実する傾向になる。するとネットワークのなかでユーザーのマインドシェア競争が激しくなる。
 農業社会では国家が勃興、農業生産基盤(土地)を、戦争などで周辺地域を次々呑み込んだように、工業社会では工場のラインに素人がたち、この道10数年の自動車職人を駆逐、市場シェアの拡大を果たしていったのと同様にだ。

 

初出資料:高橋憲行監著『企画塾テキスト』企画塾刊1992年
一般への初出資料:『超・生産性経営へのシナリオ』実務教育出版1996年






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