○関西地方、福岡を中心とした九州など、地方の住宅需要の増大 東北や首都圏から、以下のような2つのケースも増加します。・富裕層を中心に資産を関西や福岡など九州にリスクヘッジ・西日本出身者の退職者が故郷に住宅建設 初版本では、前2項を説明していましたが、実際、震災直後から関西に多くの人が移動しました。
現実には富裕層だけでなく、欧州各国の在外公館関係者や勤務する日本人、外資系企業の従業員やその家族が会社を閉め、大阪や神戸、岡山などへも緊急避難し、ホテルを長期で借り、住宅を借りたケースは思いのほか多く、3月4月の関西圏のホテルの活況は、こうした外国人に起因するケースが半数くらいはあったようです。外資系企業は、関西を万が一の東京のバックアップ体制をとりはじめています。東京を中心に資産形成していた富裕層が、関西や九州に土地やマンションを持ち、資産のリスクヘッジを行う傾向は今後、さらに増えるでしょう。 関西や福岡など九州地方で、マンションなどの需要は、首都圏に比べると多くはありませんでしたが、今後、需要が増える発生する可能性が高くなったということです。 万が一の疎開需要としてのものですが、そればかりではありません。 相続税について課税限度額を下げ、相続税の大増税を政府は考えています。大震災で話題が少ないものの、確実に国会を通過する法案で、落ち着けば相続税の増税は既定路線でしょう。 相続税は従来、土地持ちや事業家で成功し、都市に不動産を持つ人達しか対象になっていませんでしたが、課税限度額が下がると、共稼ぎの地方公務員や、夫婦で教職員を退職まで続けた人などで、住宅ローンを払い終わった人達などが課税対象になってきます。 こうした、いままで相続税対象ではなかった人達が、相続税対策として、マンションなどを購入し、震災対策などを視野に入れる結果、首都圏以外への需要拡大が起りやすい状況が生まれてきました。 地方の住宅会社が住宅販売をする際、首都圏の方が住宅購入するケースがあります。地方出身者が、老後を故郷で過ごそうとする需要ですが、この需要を本格的につかんでいる住宅会社は少数です。
団塊の世代は、半分近くが「金のたまご」といわれる中卒で東京や関西に出てきた人達です。もちろん高卒で東京や関西、名古屋に出てきた人も含めると、実に多数に及びます。 こうした人達の大半は、退職金ももらって来所串、老後をどうするか…という段階となっています。 退職者の大半は、長年暮らしてきた首都圏などで老後を過ごそうとしていたでしょう。ところがこの福島原発の事故がきっかけとなって、故郷に戻ろうという動きも出てきます。関西や中四国、九州などの出身者のなかで顕著となるでしょう。 関西や九州の地場建設業・住宅会社と東京の不動産業や仲介業との連携ができると、この動向は加速します。
(以上、改訂版「震災後を元気に生き抜こう!」より
■つい先日、1000万円かけて老後のためのリフォームした人が、九州へ
講演の際、震災後に起こることをいろいろ話をしていましたら、先週の講演後の懇親会の後に、近寄ってきた方がありました。リフォームの仕事をしている方でしたが、こんな話を……
「いや、お話の通りですよ、今年に入ってリフォームを1000万円ほどで受注したのですが、その方は九州出身者の方で、もう向こうに帰られました。1000万円もかけてリフォームされたのにねぇ……」
つまり、老後は東京で住もうと、1000万円をかけてリフォームされた退職者の方が、地震や原発が気になって、九州への帰郷を決意され、1000千万円のリフォームされた自宅は、売却の方向という話ですね。
水面下で、こうした話は、いろいろ起こっているでしょうね。
■ジャパンリスク…今年、欧米でささやかれる言葉になるかも……
ジャパンリスクという用語は、まだ欧米や世界各国では出てきていない。
Tsunami Attack! であったり、Melt Down!! だったりするが、今後、ビジネス関係では
ジャパンリスクという用語が定着するだろう。
左図は、私が作成した日本を襲った「東日本大震災」の今後の推移関連図である。 バブル崩壊後、自民党政権の政策不在によって、生じた20年の日本の空白。
そして、なんと1000年に一度という巨大な津波を伴う「東日本大震災」が、こともあろうか危機管理能力が、ほとんどない民主党が政権政党になっている局面で、日本を襲った。
政府は原発対応だけで右往左往、世界各国への説明もままならないまま、今日に至り、かつ復興ビジョンも震災復興もまともに描けていない。
ことに日本の経済・産業ビジョンは、さらにない。 復興税や、被災地対応、さらには東海・東南海の連動型地震を懸念して、浜岡原発停止の状況は、今後、どうなるのかを、左図で考えて頂きたい。
いま世界は、日本人が抱く以上に
恐怖のジャパンリスクを感じている。それは
1・巨大地震・津波・放射能の国
来日、滞在することへのジャパンリスク(観光立国は泡と消えた)
2・最先端商品を依存回避
日本から部品が入らないリスクがある、であれば多国へ分散。日本以外の国への期待感が増え、日本産業が沈下する
3・日本企業が海外脱出
電力供給の不安定な日本から脱出しないと目標達成できない。また2項を感じる日本企業は海外生産を強化、空洞化へ
東北・関東・さらに東海地方という、日本の先端企業が多数存在する。ここに立地する日本産業を率いる企業群のかなりが、海外生産の強化を積極的に行い、日本での生産を減少させる。
こうした結果、産業の空洞化がさらに加速される。企業周辺の中小企業、さらにはサービス業などは、立ち行かなくなってゆく、こうして雇用機会が大きく減少。結果的に不況感はさらに増すことになる。
ジャパンリスクを回避する施策を、政府は当分、とれそうにない。こうして日本の経済、産業は、減衰をたどり、さらに厳しい状況に陥る。
しかし次世代の産業構造を作り上げることで、回避可能だ。
これについては、他の書やネットを通じて公開してゆく。
■大震災後についての書籍…これから続々と……
大震災後の書籍が4月末から出始めましたね。
大前研一著『日本復興計画』文芸春秋2011年4月30日
宮崎正弘著『震災大不況で日本に何が怒るのか』徳間書店4月30日
藤田勉著『震災で日本経済はどうなるか』日経新聞出版社4月27日
大前研一さんは、ご存知の方も多いでしょうがコンサルタントになる前は日立の原子力にいた人。したがって著書では、この部分にかなりが割かれており、原発に関して関心があれば、これは面白いのですが、ではタイトルにあるその後の復興は、ということになると、緊急出版ということかもしれないが、やや物足りない。
宮崎さんの著は、中国通でもあり、国際関係のなかでの日本のポジションがよく書かれており、震災と津波、原発後の世界がどう伝えているかなどについて、膨大な取材力が感じられる、緊急出版にしては非常に中身が濃いなかなかの書。
藤田さんの著は、金融の専門家らしい事後の日本と世界についての書になっているが、具体的にはちょっとものたりない感じもする。
三書とも緊急出版という点では、非常に評価できるものの、では個々の人がどう生きるか、業界はどうするか……という個別の話になると、ちょっと物足りないかもしれません。
しかし、全体的な事後の日本観という点では、宮崎さんの著が、イチオシでしょう。
詳細は、みなさんが手にとって考えられればいいでしょうが、4月初旬くらいに脱稿しないといけないスケジュールだったでしょうから、著者の方々はたいへんだったでしょうね。
■『震災後を元気に生き抜こう』第2弾の小冊子
いま、最後の段階です。前回のものは、震災後1週間で制作したものですが、今回は個々の業界も取材したものとして、第1弾とは、異なる内容で刊行します。
多数の方々がお申込みを頂いていますが、今月中旬に発送予定です。もうしばらくお待ち下さい。
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